天女花〔オオヤマレンゲ〕にいなざわれて 唐木さち 木曽路花会
2009年6月26日〔金〕〜28日〔日〕
滋賀県長浜にあるギャラリー「季の雲」に寄って、「黒壁美術館」を観た帰り際に唐木さんの展覧会のパンフレットを見つけました。
「ギャラリー季の雲」と黒壁美術館は次回にお伝えしようと思います。
寝覚の床〔ねざめのとこ〕
唐木さんのお花に惹かれて 6月26日の初日に無理をして訪ねました。名古屋から中央高速道路で中津川から木曽路へ。寝覚の床で有名な場所に美術館がありました。
島崎藤村が書いた小説「夜明け前」の書き出しに「木曾路はすべて山の中である」と書かれているとおり、深い緑でおおわれた山並みが迎えてくれました。
木曽路の空気を車の窓を全開にして吸い込むと生き返るようでした。
木曽路美術館
入り口に飾られた作品。階段を降りると美術館になっていて、普段はそば猪口や絵画などを常設している美術館です。
第一会場のお花は撮る事ができませんでしたが、今も何点か心の中に作品が残っています。
「野の花をいける」
信濃毎日新聞出版部
花人・川瀬敏郎〔かわせとしろう〕さんに20年師事された長野県伊那市在住の花人・「唐木さち」さんの初の「野の花」の写真集です。
「いけることで生かされている」とおっしゃる唐木さんの「信州の花」と「花器」は、現代の和の暮らしにこそ必要なしつらいではないかと思いました。
第2会場は以前民宿をされていた場所で、ゆっくりお花を見ながらお抹茶も。こちらの会場のお花は撮る事ができました。
消火栓の赤の色がいい感じに古びてオブジェのようです。
土間に飾られた苔とくちなし
土間の土色のゲレーが作品とあっていて美しいアートに。
花器に使われているものはほとんどが骨董の壷や農機具や籠で、
茶花〔ちゃばな〕にも通じるやさしい色のものがほとんどで癒されました。
自然に癒され、花に癒されてこころに又新しい感性を入れて、「和のしつらい」として生徒さんにおすそわけできるといいのですが。
以前「おそばやさん」をしていた〔越前屋〕のノスタルジックな窓のデザインがいいですね。
古くても「美しいもの」はなんとか残して欲しいのですが、ほとんど失われてしまうのが悲しい。
今度訪ねた時にも静かに時を重ねて建っていてくれますように。
窓からの光がやわらかく作品に陰影を作っていました。
谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」〔いんえいれいさん〕に書かれている日本人の感性は世界に誇れるものです。
忙しさのあまり見過ごしてしまいますが、光が作り出す陰は感性を研ぎ澄ませてくれます。
お抹茶の主菓子は木曾名物「そば饅頭」。
ほうの葉に青楓の葉が2枚敷かれた上にお饅頭が。
美味しかったので友人へのお土産に。
珍しい「ほうば巻き」は自分用に。
歩いてすぐ近くの「芳香堂さん」でそば饅頭と一緒に買いました。
DATA 木曽路美術館
岐阜県木曾郡上松町寝覚
Tel: 0264−52−2554
Open:10:00〜16:00
お休み:木曜日