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 「 北大路魯山人 」 瀬戸市美術館 




           北大路魯山人
        〔きたおおじろさんじん〕

        世田谷美術館所蔵 塩田コレクション

       2007・6・2〔土〕〜7・8〔日〕


北大路魯山人の作品は、京都祇園の現代美術館「何必館」の地下一階にある北大路魯山人作品室で「つばき鉢」を観たのが、強烈な印象として残っています。






       瀬戸市美術館

北大路魯山人は陶芸・漆芸・書・絵画・篆刻など幅広い分野で活躍しましたが、どの流派にも所属さないで、強烈な個性と芸術作品を生み出した明治・大正・昭和を生きた「昭和の光悦」といわれた人です。








北鎌倉にあった「星岡窯」のイスに座ってこちらをじっと見ている眼には、強い個性とあたりを威圧してしまう凄みを感じます。


幼ない日に食べたいと思うものが、食べれなかった思いが執着心となって、美味しいものが食べたいという気持ちから、美味といわれる料理が生まれ、その料理の着物として、ふさわしい器を求めて、自らの手で器を作り出していったエネルギーは並大抵のものではなく、そのエネルギーから作り出された作品は没後50年になっても、多くの人の心をひきつけています。







    雲錦大鉢〔うんきんおおばち〕

義父から名古屋・八事の老舗料亭『八勝館」で魯山人の器が使われて、料理が供されることは聞いていましたが、友人とゆっくり庭を眺めながら食事をと思いながら、いまだに実現していません。







     備前俎板皿 1952年

俎板〔まないた〕のような器は普段使いの器ではないのですが、大勢が集まるテーブルには料理が映える器です。
備前の枯れた色も年齢とともに受け入れられるようになりました。









   備前長方皿  武蔵野  1955年



武蔵野のススキの原の間から、丸くくりぬかれた部分がお月様に見えて、お月見のテーブルにはこの一枚で充分表すことができる力強い器でした。わざと土をゆがめて、ざっくりと切込んだ部分がいいですね。
器は大胆なものが多いのですが、絵は繊細で線の細いやさしいものが多いのに驚きました。









      備前四方大皿金入

この作品は魯山人の作品の中でも特に好きな作品です。

金入りの部分が欠けた器を修理する金継ぎのように見えて、この器の美しい景色になっています。

個人的には、あまり土ものばかりの和のテーブルは苦手なのですが、染付の磁器のものは夏になるとよく使いますし、立秋も過ぎて朝、晩が涼しくなってくると織部の向付のような陶器〔土もの〕が少しづつ入れ替わっていきます。

  


もし一年中同じ食器で食事をしていらっしゃるのでしたら、せめて夏と冬だけでも器をかえると季節を身近に感じることができます。



魯山人の言葉ですが、
「日常生活の美とかを弁え、それを取り入れて楽しめる者は、たとえ貧乏暮らしであっても金持ち性といえよう。その心の底にはゆとりがある」


私も決してお金持ちではありませんが、心の底にゆとりを持って生きてゆくことは、
貧乏であっても、心は豊かですよね。



私自身は毎日、何万、何十万もするような食器で食事をしているわけではないですし、千利休もお茶道具の高い物ばかりを見せびらかすことを戒めています。
何千円でも何百円でも、自分にとって美しいと思えるものであればいいのではないでしょうか。砂浜で拾った石を箸置きにしたり、木の葉を器に見立てたりすることが、本当の豊かさだと思っています。









器は料理の着物なので、着物がいいとささやかな「めざし」もご馳走に見えます。
一生懸命作った食事だからこそ、美味しく見せたい。
美味しそうって手を伸ばして欲しいですよね。
高価な器でなくてもいいのです。


食事を作っいて、一番嬉しい言葉は、「外で食べるより家で食べるご飯が一番だね」って言われたくて、今日もいそいそと台所に立っています。









この本は最近、東京インテリアショップ・青山シボネで買い求めたもの

コマーシャルの多い民法のテレビは苦手ですが、NHKが構成しているこの「美の壺」という番組は好きです。取り上げられた魯山人の番組を本にまとめたものです。
名前は知っていても、あまり魯山人に興味がなかった人には読みやすい本だと思います。


DATA 〔何必館・京都現代美術館〕
address:京都市東山区祇園町北側271
Tel:075ー525−1311
Open:10:00〜17:30
Close:月
URL:www.kahitukan.or.jp



DATA 瀬戸市美術館〕
address:愛知県瀬戸市西茨町113−3
Tel:0561ー84−1093
Open:9:00〜17:00
Close:火
URL:www.city.seto.aichi.jp

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  • 2009/10/02 8:07 AM
猫舎花はしおき「桜皿」
松竹梅のセットと同時に購入しましたが、桜皿セットもとてもかわくて、ちょうど今の季節にぴったりですね。こちらの猫ちゃんは松竹梅のよりすこし大きいサイズでした。猫好きな人へのちょっとしたプレゼントにいいですね。・ ジェンガラ陶器・茶色って、違和感あるなぁ
  • 箸置きをたくさん集めました
  • 2007/09/10 9:20 PM
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