うつわ百花繚乱〔ひゃっかりょうらん〕
尾張の食文化
2007年6月16日〔土〕〜9月30日〔日〕
焼き物の里 瀬戸にある愛知県陶磁資料館は煎茶道具やお茶道具など魅力ある企画展が多く、時間ができるとふらっと訪ねます。
芝生もよく手入れされていて、所々に遺跡のようなオブジェが置かれています。植物の緑はなぜこんなにも気持ちをリラックスさせてくれるのでしょうね。
自然がもし地球上から、無くなってしまったらと思うだけで恐ろしくなります。人間は生きていくことができなくなってしまうので、遅すぎましたと言われる前に、一人一人にできることを、後回しにしないで実行しなければと思っています。
日本の作物を、できることなら愛知県近郊で採れる野菜を買いたいのですが。
日本の農業を守ることが、日本の自然を守ることに繋がって、自然の生態系をも守ることになります。以前はパンが好きでしたが、今は出来るだけお米を食べています。
今回、尾張の食文化では、和食が完成した江戸時代の年中行事や冠婚葬祭での食事の習慣を実際の食膳で観る事ができます。食器が木漆器から陶磁器中心に移り変わっていったこともわかります。
本膳〔組揃い〕田中家〔須坂の名家〕
江戸中期18世紀
伊万里の染付の器でもてなしのしつらえの一例です。
高足膳が使われていて、おもてなしの宴に使われていたことがわかります。
木具写吹寄蒔絵吸い物碗 瀬戸 四代 川本半助
江戸後期19世紀
〔きぐうつしふきよせまきえすいものわん〕
木具写しという器は陶器に漆を塗って蒔絵をほどこしてあって、外見は漆器と間違えてしまうほどですが、中を開けると、陶器であることに驚いて、江戸時代には盛んに作られていたようです。
木具写鯛形蓋物 〔きぐうつしたいがたふたもの〕
江戸後期 19世紀 四代 大喜豊助〔だいきとよすけ〕
鯛の尾の部分が上にぴんと上っていていい作品です。
こんな器が加わることで、食卓の装飾品〔フィギュア〕にもなりますね。
本来フィギュアは、洋食のキャンドル・ソルト&ペッパーやナプキンリング・ネームスタンドなど卓上に置くことで、楽しくなるアイテムのことです。和の食卓では、鯛はおめでたい魚ですし、どちらかといえば春が旬ですから、春の入学祝いや婚約式のお祝いなどのお膳に向付〔むこうずけ〕として、お出しするのもいいですね。
染付山水図盃洗〔そめつけさんすいずはいせん〕
盃洗は字の通り、盃を洗う器ですが、私自身は花器として使っています。
この作品は今回の中で特に気に入ったものです。
唐子が三人で力を合わせて持ち上げている姿がかわいい。
コバルトで絵付けされた山水画も中国の影響を受けていますね。
中国では染付のことを「青花」といいます。
きれいな言葉ですね。
DATA 愛知県陶磁資料館
address:愛知県瀬戸市南山口町234番地
Tel:0561−84−7474
Open:9:30〜16:30
Close:月
URL:www.pref.aichi.jp/touji