ギャルリー百草〔ももぐさ〕は陶工 安藤雅信さんの自宅を兼ねたギャラリーです。
始めてももぐさを訪れたときはまだナビもなくて、地図を頼りに行ったので、この看板を見つけた時はホットしました。
ももぐさの入り口
愛知県の鳴海で医院をしていた築100年立っている古民家を移築して9年の月日が流れています。
今ではめったに見られなくなった立派な上がりかまち。
美しい建築を見るのも好きなので、建具や照明器具、大黒柱の美しさにも心がうばわれます。
百草冬百種展「長野から」
2007・1・27〜2・12
島るり子さんの焼き絞めの花器に彼岸ざくらが飾られていました。
並べ方も美しい島るり子さんの粉引の片口と茶器。
白木の箱に入っている帯留も島さんの作品です。
このブログでも紹介したことのある、「日々」のイラストレーター田所真理子さんの作品が茶室の床に飾られていました。やさしくて、繊細な線がいいですね。
STUDIO 羽65〔飯田竜子・山本里子の染織の作品です。〕
美しい椅子には存在感があって、こんな椅子に揺られながら暖炉の前でうつらうつらしたい。村上富朗さんの作品です。
三谷龍二さんの木の器 茶筒や木のプレート、木のフォークを持っていますが、年月を重ねていくほどに、自然が生み出す美しい飴色に変わっていくのも木の器の魅力です。
丸山正さんの洋服感覚で着られる着物と三原佳子さんの洗練された日本刺繍のデザインの帯。
いつの日かこんな着物を着こなせる個性のある女性になりたいと願っています。
今回の作品は長野の工房ですべて作られたものです。
松本高校に通っていた主人の父もダムを造る仕事をしていましたが、松本には今も昔も多くの芸術家を生む土壌があるように思います。
長野は何回訪ねても発見がある土地です。
2階には安藤雅信さんの白磁の作品が並んでいます。
デルフトのオランダ皿と運命的な出会いをして、彫刻家から陶工になられた安藤さんの作品は、オブジェのような美しさと用の美の美しさを併せ持っていて、とくに銀彩の器は和にも洋にもしっくりとなじんで今気に入っている器です。
基本的に値段ではなく、自分が美しいと思うものを購入しているので、他の人から見るとこんな古いものをお金を出して買われるんですかっと言われれるようなものも、手作りのものには、作った人の心が感じられて、心をやさしくしてくれます。
アートを感じさせる並べ方がまわりの空気まで美しくしていて、安藤さんの作品になっている。
谷道和博さんのグラスは小さめのワイングラスしか持っていませんが、日本人のちいさな手にはしっくりくる大きさと,あまりたくさんお酒が飲めない私にはあっているので、少しづつ購入していきたい作家さんです。
他には、井山三希子さんの器も扱っています。お鍋やフライパン、野田琺瑯の生活雑貨も安藤さんの美意識で選ばれたものが並んでいます。
安藤さんの奥様の衣服作家・明子さんの作品も。
子供さんのために作られた小さなお茶碗とお椀が並べられているコーナーもほのぼのとして、あたたかい。
娘達はピーター・ラビットの絵がついた重さのしっかりした器で食べていましたが、子供だからよくわからないから、すぐ割ってしまうからという理由で、プラスチックの器で育つのと、本物の塗りのお椀とお茶碗で丁寧に扱うことを教えられて育つのでは、暮らし方までも、変わってくるような気がしています。
ももぐさカフェの空間だけは、壁は白に塗られていて、白と木の色が清潔なイメージで、ギャラリーを見た後に暖かな光を受けながら、ゆっくりお茶をする時間も楽しみに出かけます。企画展にはオーガニックなランチも出されて安心して食べられるものばかりなのでうれしい。
今回、大久保醸造店のお醤油と信州の田舎味噌を買いました。名古屋に生まれて、赤味噌で育っていても、信州味噌の美味しさは別で、お味噌をといだあとに粒が残るのも好きです。
安藤さん自身が撮られたモノクロのポストカードも好きで本箱に飾っています。
静かでストイックな空間が切り取られています。
普段忙しい友人と久しぶりに会って、この雑木林を抜けて帰るとき、どこからか鳥の声が聴こえて、二人で見上げた林は今も静かに自然の営みを続けています。
友人の幸せそうな横顔が今も昨日のことのように思い出されます。
SHOPDATA
ギャルリーももぐさ
address:岐阜県多治見市東栄町2−8−16
Tel:0572−21−3368
ギャラリーももぐさ
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