JUGEMテーマ:アート・デザイン
以前にも紹介したことがある、現代アートな展覧が多く、建物にも癒される「美しい美術館」です。
線が美しいエレガントな椅子。
これからの季節には、椅子に座って池の水と庭をボーット眺めるのも贅沢な時間の使い方ですね。
日本にいることを忘れてしまいそう。
イタリアを思わせるような庭作りで、庭にはいくつかの彫刻が置かれています。
豊田市の高台にあるこの美術館を美しくしている要因の一つは、この庭の存在も大きいのでは。
海外でも活躍している日本人の建築家・谷口吉生の設計した美術館のミニマムな空間でゆったりと作品と対峙することができます。
モスグリーンのスレートに午後の傾き始めた陽の光が・・・・
屋上にあるこの池に出ると、展覧を観て疲れた目が癒され、気持ちまで解放されます。
直線が多く使われているこの建物は、建物自体を作品としてみる楽しみがあります。
使われている「スレート」や「乳白のすりガラス」などが、この美術館のグレードを決定しています。
テーブルコーディネートの基本も、建築やインテリアの基本と同じで「グレード」を同じにすることは重要なポイントだと思っています。
ジェニー・ホルツァー〔1950−〕
豊田市美術館ノタメノインスタレーション1995
LED電光掲示板
2階へ続く階段には、白の壁にアーティストの名前が描かれています。
この壁も一つの作品になっています。
2009年7月7日〔火〕-9月23日〔水・祝〕
ジュゼッペ・ペノーネの作品は、今までにも豊田美術館で行われたイタリア美術展や「アルテ・ポーヴェラ・貧しい芸術」などで何点か観る機会がありましたが、これだけの作品を観るの初めてです。
宝石箱 2007年
初期から現在までの代表的な作品を観る事ができました。
彫刻の場 スギの皮膚 2001年
スギの木の皮の所々に施されたいぶし金の色が強く心に残りました。
自然の素材と人工的に造形された作品は、今までに観た現代アートにはないもので、人間も自然の一部で、いずれかは土となり、この自然に帰っていくことを改めて感じました。
自然環境に多くの人が関心を抱いている現代にふさわしい展覧会でした。
この美しい自然を壊さないでいくために、一人ひとりにできる小さなことを実行していくことが、必ず守っていくことにつながっていくことを信じています。
最近は、いつも自然に助けられているのに、その自然を痛みつけている自分を情けないと思っています。できることは実行してみようと真剣に思っています。
影を呼吸する 茶葉
美術館の大展示室の壁面をお茶〔月桂樹の葉?〕の葉で覆いつくした作品。
壁一面を葉で覆いつくそうと思った発想もすごいのですが、この作品の製作に参加されたトヨタ美術館関係者の方のご苦労を思うと頭が下がります。
葉で覆われた空間に一歩迷い込むと、自分自身も自然の一部になっていて、私自身が作品の一部になっているような錯覚を覚えました。
忘れられない作品です。
少し前まで緑色だった葉と、茶色に変化した葉が、人工的な枝のいぶされた金の色をひきたてていて、観る人に強く訴えかけてくる作品です。
彼の作品の多くは、自然が持つ造形の美しさからインスピレーションを受けています。
自然を素材とした「詩的」な造形の彼の作品は、現在、世界的にも注目を集めています。
1947年イタリアで生まれたペノーネは、どこか日本人の自然崇拝の感性にも通じるものを感じました。
2階にあるレストラン&カフェ
美術館にあるカフェに寄るのも楽しみの一つですね。
展覧の余韻を楽しみながら、しばし休憩。
このカフェの窓からの山並みは特別変わった景色ではないのですが、「大きく切り取られた窓」からの眺めは気持ちがいい。
何種類かあるデザートからマンゴープリンを。
シンプルなプレートとマンゴーの色が絶妙。
椅子の背に架かっている右側のポスターは現代作家「河原温」の作品のポスター
以前にも書きましたが、豊田市美術館のミュージアムショップコーナーには、アートな本が揃っていて、どの本も買って読んでみたいものばかり。
毎年シンプルなカレンダーもここで買っています。
木漏れ日の下で、椅子に座ってたまにはゆっくりしてください。
DATA 豊田市美術館
豊田市小坂本町8丁目5番地1
Tel:0565−34−6610
Open:10:00〜17:30
お休み:月曜日