日々同じことが繰り返される「生活と暮らし」の中で、ハレの非日常ではなく、ケの日常を豊かなものにすることを日本人は古くから大切にしてきました。
戦後多くのものを失い、働いて働いて豊かな暮らしを願って走り続けてきましたが、ふと気がつくと
「心も生活」も日々の忙しさで見失ってしまって、季節の移ろいも気がつかない内に一年が終っています。
年中行事を行うにはやはり覚悟もいります。
おいしいお茶を淹れるには?どうしたら気持ちよく暮らせるのか?
「日常茶飯」をしっかりと行うことで気持ちの安定も得られます。
1月7日は人日〔じんじつ〕の節句
平安時代には「若菜迎え」といわれ、無病息災と初春を祝う行事でした。
今年はすでに終ってしまいましたが、薬草ともいわれている七草をお粥にして食べました。
人日の節句は五節句の一つでお正月の最後に行われる行事です。
七草粥
七草粥でいつもよりご馳走の「おせち料理」を食べてきた胃を休ませます。
せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろの七草たち
岐阜県の菱川農場で有機肥料にこだわって栽培されたものです。
まだ雪が残る寒さの中に「強靭・きょうじん」に生きようとする「若菜」をいただいて、新しい一年の無病息災を祈ります。
凍てつく寒さの野山で本来は摘んでくるものですが、街に住んでいては難しく、毎年スーパーで売られる七草を買い求めて作ります。
七草が手に入らないときは「かぶら菜・小松菜・大根葉」でも作れます。
人日の節句も終り、立春の前日 2月3日は節分の日〔季節を分ける日〕
今年の恵方は北北西
恵方は陰陽五行でその年の干支にもとづいて「めでたい」とされる方向です。
尾張・名古屋では「尾張四観音・おわりしかんのん」があって、
今年の恵方にあたる観音様は「甚目寺観音」になります。
京都の千枚漬けで有名な「村上重本店」で出会ったお福さんと鬼のお面
京都は年中行事を日常として大切に暮らしています。
そんなところも京都を訪ねる楽しみもあります。
行事として節分を祝わなくても、せめてお面だけでも飾って「節分」を迎えるのもいいですね。
2月3日には甚目寺観音でお参りをすませて、手作りの恵方巻きを食べた後、豆をまいて鬼をはらいます。
季節の変わり目には邪気〔鬼〕が生じるという考えから、「福は内、鬼は外」と言って悪霊をはらいます。
幼い日の節分は意味もわからずお豆を巻いていましたが、大人になった今は真剣です。
無言で「巻き寿司」を食べて〔我が家の巻き寿司は細まきですが〕少しでも多くの福を巻き込んで暮らせますように・・・・
「邪気・じゃき」なものが入ってきませんように祈ります。
日本の年中行事は「人から神さまへの祈り」の行事です。
小さな子供さんのいる家庭ではなんとか時間を作って、鬼の面をかぶって、家族で豆まきをしてあげてくださいね。
「家族の絆」はこんな年中行事を行っていくことでも強くなっていきます。
20日の「大寒・だいかん」も過ぎ、1月も終っていきます。
自然界にとってもっとも厳しい寒さになる季節ですが、お花屋さんには早春の花たちがいい香りを漂わせています。
雪の下には新しい命がもうすでに宿っていて、春はもうすぐそこまで来ています。
季節がどんどん巡って春を迎えられることは幸運なことです。
「東海・南海・東南海地震」がこれから30年の内に80%起こるといわれています。
いつ来るかわからない地震ですが、気がついたものを「地震のための備え」として保管場所を作って、生命を維持していくための「水や食料品」・卓上コンロ・テントなどを準備ています。
東北の地震で多くの樹木や貴重な植物も巻き込まれてしまいました。
去年はこの場所から水仙が咲き出していたのにと寂しく思われているのではないでしょうか。
房咲き水仙
両側に並んでいる漆器のお椀は犬山の古美術「もりみや」で購入
2客しかありませんでしたが、蒔絵があまりにも美しく、和菓子のおもてなしにも使えそうです。
寒い日には「朱の色」があたたかいですね。
また犬山の「もりみや」はきちんと紹介したいと思っています。
庭で咲いた「房咲き水仙」
早春の香りが周囲に香っています。
水仙は別名「雪中花・せっちゅうか」という名前をもっていて、雪の中でも春の訪れを告げてくれます。
節分が終ると我が家は「お雛様」を飾ります。
水仙の中でも「口紅水仙」や「房咲き水仙」などの香りは「香水の原料」にもなっています。
ムゲットの香り 鈴蘭・すずらん
花の甘い香りがフランスの香水の「シャネル5番」や私自身も日頃つけている「サンタ・マリア・ノヴェーラ」のオーデコロンも水仙ではありませんが「鈴蘭」の香りです。
ふだんから強い香りのものは苦手で、花の香りや料理の匂いを邪魔をしない香りをつけるようにしています。
やさしい「花の香り」が心を鎮め、穏やかな気持ちにしてくれます。
この季節にしか飾ることができない「水仙」を是非飾ってみてくださいね。
けなげに寒さを乗り越えて、一生懸命咲いている「水仙の花」を東北の方々に今一番見てほしいと思いました。
つらいことは長くは続かないと信じています。どんなに小さなことでもいいので「希望」を見つけてくださいね。
たった「一輪の花」からも私自身はなぐさめてもらっています。